Webサイトの成果を期待通りに高めるためには、ただ単純に作って終わりではなく、改善(PDCA)が欠かせません。今回は、成果が出ないWebサイトはどこがダメなのか、具体的にどう改善すればよいのかなどについてご紹介します。企業のWebサイト運用を担当している方などの参考になれば幸いです。
先ずはWEBサイトの改善目的を明確にしよう!
Webサイト(ホームページ)の改善に着手する前に、先ずは自社のWebサイトでどのような成果をあげたいか、そして何のためにWebサイトを改善するのかを明確にします。それによって、有効な改善施策や分析方法などが変わってくるからです。
Webサイトであげたい成果としては、お問い合わせやお申し込みの獲得、商品販売、自社ブランドの認知度アップなどが例として挙げられます。その成果を期待通りあげられていないのであれば、何が課題なのかを考えます。その課題の解決が、Webサイトの改善目的です。Webサイトへのアクセスを増やす、ユーザーのWebサイトにおける行動を変える、リードの質を上げることなどが目的となり得ます。
ダメなWebサイトにありがちなポイント
改善目的が明確になったら、成果のあがらないWebサイトにありがちなポイントをチェックし、自社のWebサイトを分析して改善すべき部分を見出します。例として、以下のようなポイントが挙げられます。
ページ間の移動がしづらい
Webサイト内のあるページから別のページへ移動がしづらいことが、成果を高めるネックとなっている可能性があります。ユーザーがページ間をうまく移動できているかを、Webの世界では「回遊率」と呼びます。回遊率が悪いということは、お問い合わせや商品購入など、こちらが期待する行動をユーザーが取る前に、Webサイトを離脱する可能性が高いと判断することができます。
具体的には、次にどのページへ移動したらよいか分からない、またページ間の関連性が分かりづらいといったことが、回遊率を悪くする要因として挙げられます。対策としては、ユーザーが自然に次のページへ移動できるようにリンクの配置を工夫したり、関連性を考えてリンクを設置したりすることで、うまく導線をつくることなどがあります。
ユーザーの欲しい情報とページ内容が不一致
ユーザーは欲しい情報を求めてWebサイトを訪問しますが、実際にその情報が得られなければ、そのWebサイトを離脱してしまったり、他のWebサイトに移ってしまったりします。
特に重要なのが、ランディングページの内容です。ランディングページとは、ユーザーがWebサイトを訪問して最初に目にするページのことです。成果をあげるには、このページの内容とユーザーの欲しい情報を一致させる必要があります。
そのためには、ユーザーが検索してくるキーワードを想定して、そこから読み取れる情報ニーズにあった内容を盛り込みます。また広告を出している場合、ユーザーはそこに示された内容を期待してWebサイトに訪問するので、ページ内容がそれと乖離しないようにします。
Google Anlyticsを既に導入している、導入が可能な場合はGoogle Anlyticsでの数値を今一度確認して何がパフォーマンス最大化の妨げになっているのか明確にしていきましょう。
ページの表示速度が遅い
ページの表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じてしまいます。重要でないページで多少遅くなる程度であれば我慢できるかもしれませんが、ランディングページが遅かったり、見たいページが遅かったりすると、しびれを切らして離脱してしまう可能性があります。
また、後程解説する「SEO」の観点からも、表示速度は重要です。ここではSEOについての具体的な説明は省略しますが、簡単にいえば検索エンジンの検索結果上位にWebサイトを表示させるために、表示速度も重要だということです。
ページの表示速度対策として、簡単なものでは、Webサイトに利用する画像を圧縮する方法があります。また少し専門的なことでいえば、Webサイトのコードを軽量化するのも、ひとつの手段です。
よくある悪い例としては、WEBサイトの大半が画像で構成されているものです。画像が多い構成になってしまうと、SEOの観点からも良くないですし、修正が必要となった場合に画像そのものを修正する必要が出てくるのでWEBサイトの改善に工数が多くかかります。
見出しがない・読みづらい
多くのWebサイトは、文章で情報を伝えます。その文章の書き方が悪いと、たとえテーマが興味深いものだったとしても、ユーザーは読むのをあきらめてしまい、それ以上そのWebサイトを見るのをやめてしまう可能性があります。
具体的には、見出しがなかったり、文章構成が不自然で読みづらかったりすることなどが挙げられます。上手なライターさんに書いてもらうのが有効な対策ですが、そのようなリソースがないという場合は、明らかに問題がある部分だけチェックするなどして、少しでも改善を図れるようにするとよいでしょう。
文章としてはキレイにまとまっているが、あまりにも専門性が高い内容の場合もユーザーが離脱してしまう原因となってしまうこともあります。文章で伝えたいユーザー層をしっかりと意識して文章をまとめていくことでパフォーマンス改善に繋がりやすくなります。
成果を出すためにやるべきWeb改善の手法
最後に、成果を出すための具体的な改善手法について解説します。少し専門的な内容もあるかもしれませんが、知識としてもっておくことをおすすめします。
SEO(検索エンジンの最適化)
Webサイト改善において最も一般的な手法のひとつが「SEO」です。日本語で「検索エンジンの最適化」とされる通り、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果上位にWebサイトを表示させるための対策をいいます。SEOを成功させ上位表示できれば、Webサイトへのアクセス増加が期待できます。
SEOには様々な施策があります。各ページの文章にキーワードを含めたり、ユーザーにとって有益な情報を盛り込んだり、外部サイトからのリンクを集めたりするのが、代表的な施策例です。上述のページ表示速度改善も、そのうちのひとつです。
EFO(入力フォームの最適化)
EFOとは、入力フォームを最適化する手法のことをいいます。ユーザーにお問い合わせや商品購入などをしてもらう際、フォームへの情報入力をお願いすることも多いですが、その項目数や内容などを改善するのがEFOです。
項目が多すぎたり、必須といえない項目があったりすると、ユーザーは入力を躊躇してしまう可能性があります。せっかく顧客になってもらえそうなユーザーを逃さないために、EFOは重要です。
EFOを実施しただけでサイトの全体最適化に繋がりCVR(コンバージョン率)が200%の改善に繋がった事例もございます。
CRO(コンバージョン率の最適化)
お問い合わせ獲得や商品販売など、サイトの目的のことを「コンバージョン」といいます。そしてWebサイトを訪問したユーザーのうち、どの程度の割合がコンバージョンに至ったかという数値を「コンバージョン率」と呼びます。
すでに解説したように、ユーザーはWebサイトを訪問しても、その後様々な理由で離脱してしまいます。その離脱を防いでコンバージョン率を上げるために、CROという手法があります。
上に挙げたEFOも、CROのひとつということができます。その他、コンバージョンにつながるリンクやボタンのデザインを変えてユーザーの目を引きやすくすることや、ランディングページからコンバージョンまでユーザーが自然に到達するようにWebサイト内の構造や導線を工夫すること、コンバージョン導線までのテキスト修正などが施策として挙げられます。
UI/UX改善(デザインや操作性の改善)
Webサイト改善においては、UI(ユーザーがWebサイト上で触れる要素)やUX(ユーザーがWebサイトで得る体験)が重要です。Webサイト内の細かいデザインを変更する、操作性を高めるなどして、ユーザーの使いやすさを改善します。運営側の好みなどを押し付けるのではなく、ユーザー目線にたったWebサイト改善をすることがポイントです。
コンバージョンの多い性別や年齢層にあったものにするとより効果が発揮されます。
まとめ
今回は、Webサイトの改善について、ポイントや手法などを解説しました。BtoBサイトなのか、ECサイトなのかなどによって細かい施策は変わりますが、基本的な手法は共通しています。目的や自社の状況などをふまえて、取り組めそうな手法を選んで試してみてください。